津軽系こけし

名探偵コナン 瞳の中の暗殺者の津軽系こけしのレビュー・感想・評価

3.7
2000年の恋の予感


【コナン映画4作目】

🟦20世紀最後のコナン映画。これまでの3作品が謎解きスペクタクルで核をなしていたのに対して、今作は新一と蘭の色恋を盛り上げるような内容でした。

🟥2020年のコナン映画人気投票で1位を獲得していたり、何かと話題に挙がる作品だそうです。たしかに、この色恋模様の炸裂ぶりは、近年のロマンス需要と類似する点がある気がしました。

確かに、コナンくんかっこよかったもんなぁ〜

🟨作品としては少々散漫な印象でした。新一と蘭のラブロマンスは確かに印象的なんだけど、サスペンスとの関連づけがちょっとこじつけっぽい。過去3作まではそのロマンスとサスペンスの互いが、主張を抑えていたからコナンブランドの均衡が成り立っていました。今作ではそれがロマンスの無理な出色のせいでそっちに重心を持っていかれて、サスペンスがその犠牲となってしまっています。

記憶喪失という重苦しいテーマへのアプローチもいささか軽薄です。毛利のおっちゃんのひとことで救われてましたが、私は記憶を思い出すまでの蘭ちゃんの孤独に胸が苦しくなってしまいました。

【さらば、白鳥刑事】

「” みんな!佐藤さんの意識が戻ったぞ。もう心配ないそうだ “」


🟦みなさま、この台詞が何を意味するかお分かりですか。
名探偵コナンで長い間白鳥任三郎を演じた塩沢兼人さんの、劇場版での最後の台詞です。本作公開から1ヶ月後に塩沢さんは亡くなられました。それ以降、白鳥任三郎は今作で風戸京介演じた井上和彦さんが受け継ぐこととなりました。

本編では白鳥任三郎と、その風戸京介が2人で並ぶシーンなんかもありましたね。

塩沢兼人さんが亡くなっていることは劇場版コナンシリーズを観始めた時から知ってはいたけれど、いざ塩沢白鳥をもう聴けないのだと思うとすごく寂しい心地がしてしまいます。

素敵な声と、演技をありがとう

【14番目の標的とほぼ同じなまとめ】

🟦やはりコナンと蘭のさわやかロマンスを楽しむ一作という印象でした。そして、蘭の無敵空手がようやく日の目を浴びて、気持ちよく無双してくれてました。

テーマ曲によるテンションの拍車も盛り上がります。
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