皿鉢小鉢てんりしんり

名探偵コナン 瞳の中の暗殺者の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

3.7
あろうことか“面白い”
なんといっても遊園地という舞台立て、展望台の望遠鏡から蘭とそれを撃とうとする犯人の位置を空間把握して少年探偵団に無線で伝える、という完全にヒッチコックな導入からジェットコースターやらモーターボートを乗り継ぎ、アトラクションの中を駆けずり回りながら銃撃から逃げる、という空間を活かしたアクション、コナン程度のプログラムピクチャーでここまで映画的なものが見られるとは到底思っていなかったので度肝を抜かれた。
噴水のところで冒頭のフリを回収しつつカウントダウンで観客を期待を煽る、水幕から突き出す拳銃のアナロジーから記憶を取り戻す蘭、コーラの缶が蹴り飛ばされ、からの犯人の逆襲からの、蘭の空手が発動!!、ここの秒刻みのタイミングとテンションのコントロールがあまりに見事。
蘭記憶喪失をいいことに、毛利小五郎麻酔注射をせずに推理が展開されるのも、ストレートで良い。やっぱり普段のコナンってまどろっこしすぎて映画向きじゃないんですよ……
トレードマーク化してるので致し方ないのかもしれないが、コナンのクリシェであるシルエット人間は、“姿が見えない”を記号的表現丸投げなのでそこはちょっとなあとは思うが。“姿が見えない”って演出アイデアがいくらでも出せる要素出し、やっぱ影のつき方とかそういうので演出してほしいものでしょ