お

ザ・キラーのおのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・キラー(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

目がバキバキになってうまく呼吸ができない。だって2時間も息を止めていたから。
それぐらい集中していました。単焦点レンズで動いている物体にフォーカスを丁寧に合わせるあの瞬間が無限に続いてるように感じ。(なんかキラーの口調も乗り移ってしまうな)

ネットフリックスだけと聞いていたが、予告編をチラ見して、これ劇場でみれるなら観なきゃと思い、レイトショーに駆け込んだ。駆け込んで結果大正解。大きなスクリーンから放たれる静かでクールで大胆な映像に目が奪われて約2時間、、息ができない。(2回目)

「ゲーム」を初めてみてフィンチャーが好きになったので、今回のこの映画は好きなやつ。テンポ良く心のワクワクが持続していく感じ。気がつけば座席で前のめりになって観ていた。ネトフリ作品ということもあって期待値もそれぐらいだったので個人的にはちょうどよく楽しめた。

こだわり抜かれたカットや編集の上に乗った殺し屋の物語は本当にスタイリッシュに映ったし、監督そのものの佇まいが見えてきてこの人には敵わないなと思わされる仕事っぷり。中盤の筋肉ハウスの黒の色の闘いでだいぶ満足してしまった。あんなん見たら目バッキバキになるやろ。

そして気になるフィンチャーの人間の奥底にある狂気を描き出すシリーズ、今作は少しドジな秀才。スタイリッシュすぎるが故に面白さが読めずずっと真顔だから怖いみたいな。愛らしいドジも謎のスタイリッシュさで突き通せる。新しいタイプの怖さに出会って最高でした。
お