HAYATO

ザ・キラーのHAYATOのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.9
2023年424本目
待ちに待ったデヴィッド・フィンチャー監督最新作
脚本を手がけたのが、デヴィッド・フィンチャーとは『セブン』以来およそ30年ぶりのタッグとなるアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーなのが胸熱。
暗殺任務に失敗し、愛する者を傷つけられた熟練の殺し屋が、雇い主を相手に報復に乗り出す。
冒頭のシークエンスは、地味なカットの連続ながら、暗殺の仕事にとことん計画的にかつストイックに向き合う主人公の姿を克明に描くことで、その世界観に一気に没入させられる。
ようやくターゲットが現れたものの、中々引き金を引くことができない緊張感とスリルを伝える演出が巧み。
これまで経験のなかったであろう失敗をしたのにも関わらず、完璧に後始末をこなす主人公の冷静さに惹かれる。
主人公のセリフはほぼモノローグであるのが特徴的であり、「感情移入は弱さを産む」という信念のもとに、必要なこと以外ほとんど会話を交わさないのがおっかない。
主演を務めたマイケル・ファスペンダーの無表情の演技が印象的で、『ドライヴ』でのライアン・ゴズリングのような「寡黙な男」のかっこよさを堪能できる。
ちょびっとしか出てこないけど、ティルダ・スウィントンは流石の存在感だった。
ポスターのセンスが好き。
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