シートン

ザ・キラーのシートンのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
4.6
管理しようとしても制御できない脈拍、
それに左右されるなと言いつつ突き動かされてしまう感情、
そうして計画通りにと言いつつ即興的にならざるを得ない仕事、
その偶然性と現実性が人間味のなさそうでいて、われわれと同じ数多くいる人間の一つでしかない名無しの殺し屋を翻弄する。

彼も、彼に殺され(かか)る人々も、皆、偶然生き、また死んでいるに過ぎない。その底のない絶望とささやかな救済が、変わらずフィンチャーの作品にはある。
そして、真っ直ぐな、魅力的な人物たちも。
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