荒野のジャバザハット

ザ・キラーの荒野のジャバザハットのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.7
死を受け入れずもがき感情的になる、普通の人でいる事の充実感。
自身が殺し屋として身を置く戦場はプロフェッショナルに徹する事で高みへ到達できる、ひたすら冷静に、自分を殺して。

自分を殺し続けていた男はパートナーへの暴行を理由に感情の箱を半分だけ開けて復讐という人生を謳歌する。ただ今作の面白いのは感情を"半分だけ"開けているところ。
今までの生き方を否定し切る事はできず、悪魔で任務と言い聞かし私情を仕事に置き換え自らを騙し続ける。そしてもはや復讐という理由すらも偽りで自らの感情の動きやスリルを存分に楽しんでいるように思えて、なんか良かったね、普通の人になれて、、、と可愛い終わり方でした。

それにしても、ティルダスウィントン全部持って行きすぎじゃね?!話も面白いし全部説明しちゃったらマイケルファスベンダーの立つ瀬ないだろ。。。全体的にゆったり目な映画の分、あそこだけ以上に濃ゆく見えるし、ずるいなあ。笑

中盤眠くなっちゃったけどゆったりコメディで面白かったです。
サントラもフィンチャー節でよかったし、これは劇場向き。