自分の中でデビッド・フィンチャーは打率がかなり高めで、今回も高水準なサスペンスで良かった。
まずオープニングのモンタージュから惹き込まれる。タイトルロゴ含め全てがスタイリッシュでカッコイイ。今作はある殺し屋がミスを犯したことから始まる自身の尻拭い映画といった印象。淡々と仕事をこなす分ジョン・ウィックよりも殺し屋の技量は上かも。ジョン・ウィックがエンタメに振り切っている分こちらはよりリアルな(殺しの世界のリアルを知らないけど)タッチで良かった。彼は自分なりのルールに即し、関わった人間絶対殺すマンなので芯が通っていて気持ちが良い。特に物語にもダイナミックな展開は無いものの観客を惹き付けるショットが多く高揚感はあるし楽しめる。
主人公は、「感情移入はするな、誰も信じるな」という信条のもとに殺す冷酷な面とは裏腹に妻想いでちゃんと情があるのも面白い。完璧に見えて所々詰めが甘いのも人間らしさが垣間見えて、人物造形が上手いと感じた。
マイケル・ファスベンダー、X-Menぶりに見たが歳を経て哀愁が増しており改めて良い俳優だな。端役のティルダ・スウィントンも強者感が強くて短いながら印象的。
Netflix資本にしてはあんま金かかって無さそうだったが、フィンチャーが産むカッコ良い映像を浴びれる良作。
