凄腕の殺し屋が仕事を失敗した報復で恋人を襲われて復讐する話。
スタイリッシュシリアスバイオレンスコメディ。
フィンチャーらしいスタイリッシュでテンポの良い作劇。用意周到で几帳面なプロっぽい描写も楽しい映画ではあるものの、殺し屋としての仕事論を散々偉そうに語っていきなり失敗するし、恋人を逃すことなく家に帰るし、いちいち言ってることとやってることが一致しない序盤。
恋人が襲われた復讐とはいえほぼ無関係な人たちもサクッと殺す倫理的には完全にアウトな主人公はジョン・ウィックやイコライザーのようには感情移入できない。ティルダスウィントン様との対決は肩すかし過ぎてガッカリ。
おそらくこれはフィンチャー作品「ゲーム」のような一見シリアスなスラップスティックコメディとして鑑賞するのが正しい姿勢な気がする。
こんなアホみたいな「めでたしめでたし」ラストのフィンチャー作品は初では？
