Netflix。
オープニングクレジットからしてフィンチャー節全開で、むっちゃカッコいい。
ストーリーはごく単純。
任務に失敗した殺し屋のマイケル・ファスベンダーが、自分を排除しようとした雇い主を探し出して制裁する。
この類似作が100本はあろうかという、ありきたりな話が、キレッキレの作家映画になっちゃうのだから、さすがとしか言えねえ。
基本ファスベンダーがずーっと独り言呟きながら、一人ずつ相手を探して元締めに辿り着くまでの話なんだが、それぞれの人生における決定的瞬間にぶち当たった時を描いてる。
主人公はいわばその瞬間をスルーしてしまった訳で、物語が終わっても不穏な余韻が続く。
そもそもこの人自分に色々言い聞かせてるけど、有能ではあるものの、ちょっと抜けてる。
発端の仕事だって、射線上に女王様が入って来るのは素人でも予想出来たもの。
まあフィンチャーは、その辺りの人間的な不完全さを含めて、ユニークな視点でドラマを構築してるんだけど。
殺し屋が主人公でもアクション要素は限りなく薄く、最初から最後までムーディな作家性を堪能する映画。
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