からかす

ザ・キラーのからかすのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.0
良い意味で、という枕詞をつけた上で
淡々としていて抑揚がない。
実直な殺人鬼をドキュメンタリーで描いたような作品。
感覚としては「プロフェッショナル 仕事の流儀」である。
これがド派手なエンタメ映画なら
おそらくミスをした殺人鬼が放たれた追手を返り討ちにし
最後はどかーんとボスを倒しておしまい!なのだが
本作はミスしてもはいー報復がこんな感じなのねー
じゃあ復讐しようかタスク1終わりタスク2終わり…と
まるでチェックシート埋めでもしてるように
とんとんと復讐が"こなされていく"。
割とカリスマ化、象徴化していく殺人鬼というキャラだが
本作は本当に地味に地味に凡百の人のようになっていく。
これはなかなか珍しい殺人鬼モデルだと感じた。

とはいえである。
なにせ監督がデビッドフィンチャーである。
「セブン」「ファイトクラブ」「ゾディアック」
「ゴーンガール」のフィンチャー監督である。
一視聴者の勝手な期待としては
殺人鬼×フィンチャーときたらさぞサスペンスフルな
刺激的な料理が出てくるのだろうと思ったら
かけうどんが出てきてうーん、まあ美味いけど…という感じ。
あの笑っちゃうシーンとかすごくフィンチャー感強いので
そういうのもっと欲しかった。
ちょーだいちょーだいそういうの。
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