宙崎抽太郎

ザ・キラーの宙崎抽太郎のレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
5.0
『ザ・キラー』デビッド・フィンチャー

気がついたら映画の時間のなかに足湯していた。映画館では主導権を映画に奪われ他律的な時間を送る。だからこそ、深い呼吸に、自分のリズムを捨てて、徐々に同期していける。配信は、自分の手に再生ボタンが握られているので、どうしても、まだ、してない食器洗いが気になったり、ちょっとした間を共有できずに、物語の筋だけ追おうとしたり、映画とのクラッチングが上手くいかず、ギアの変速字にチェーンが外れてしまうこともある。大根仁さんや、佐藤佐吉さんが、タイムラインで映画館で見ろ!とやたら薦めているので、これは見なきゃあかんと思い、見れて、良かった。この作品が持つ独特な映画時間に肩まで浸かれた。それにしても、殺し屋の殺しアクションだけでなく、綿密かつ、日常生活にも根ざした、Amazonやホームセンターなど、手の届く事務処理感に痺れた。

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