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ザ・キラーのISHIPのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・キラー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

気づけばデヴィッド・フィンチャー作品はさほど観たことが無かったことに気づく。ただこの作品はSNS上でも公開後よく名前を見たし(The Smithsの曲が多数使われているということもあったかもしれないけど)、気になったので観てみた。
大まかな感想としては、凄く不思議な感じがした。冒頭、スミスの曲も流れ、こちらのテンションがグッと上がったところで標的を捉え損ねる、というところでまず「おお!?」と期待を外される。なんか手練の殺し屋なのかと思ったのに。そこからも、めちゃ盛り上がりそうな展開なのだけど、そこまで盛り上げない感じが続いた気がした。なんだろう?なんだか、各章ごとに、彼の思うようには完全には仕事を遂行できていないように感じて。失敗に関する映画なのか?と思った。完全無欠の殺し屋も失敗が続くこともある、みたいな。けど、最後は…まあなんか平穏に落ち着いているし…結果オーライってことなのか?なんだか不思議な感じだな、と思った、というのが僕の感想だ。
その後、この映画を観た友達と話したら、「フィンチャーが完璧主義者であるという自他からの評価から降りる宣言」のような映画なのだと言われ、なるほどなあと。殺し屋はフィンチャー自身を表しているということ。でもそれでもかっこいいカットは僕としてはたくさんあった。自分の隠れ家に向かい走るシーンとか、マイアミの筋肉男と戦うシーンとか。考えてみると、マイアミのところで、犬に追われて間一髪逃げるところとか、何だかなにかのミスを見つけては突っ込んでくるめんどくさい奴、のような気もしてきたな。勘ぐりすぎかな。
ただ、そういう視点で見るとセリフとかも面白いのかもなあ。また見る機会があったら確認したい。
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