ポルりん

ガスマスクの伊藤さん。のポルりんのネタバレレビュー・内容・結末

ガスマスクの伊藤さん。(2022年製作の映画)
1.6

このレビューはネタバレを含みます

材料は非常にいいのだが、製作陣がそれを全く活かせず、Z級にもなりきれないただのクソ映画にしてしまった作品。

■ 設定

どうやら「とある儀式でガスマスクの伊藤さんを呼び出せば何でも願いを叶えてくれる。」という都市伝説が女子高生の間で流行っているらしい。

んで肝心の呼び出す儀式内容は映像化も説明もないので全く不明だが、とにかく呼び出されたガスマスクの伊藤さんは、願いを叶えるが以下の注意事項を守らないといけないとのこと。


注意事項

・他言無用
・途中退場不可
・ズル禁止
・邪魔したやつにキツイお仕置き
・金属バットを肌身離さずに持っていること


これを守れば願いが叶うらしく、設定としてはなかなか面白そうだ。

しかし、この素晴らしい設定を本編では全く活かしきれていない。
というのも、このルールを破ったからといって何かしら主人公に不幸が起こる訳でもない。

単にガスマスクの伊藤さんが主人公の前に出てきて、注意するくらいだ。
あとは主人公が好きな人がバットで殴られるのだが、主人公は特に悲しんでいる様子もないので、観ているこっちとしては大したことがないように思えてしまう。

因みに本編でルールを破ったのは、

・他言無用
・金属バットを肌身離さずに持っていること

の2つくらい。

そして肝心の願いに関してだが…まぁ酷いもんだ。
気になった方は本編で・・・。



■ ストーリー構成

設定もかなり酷いもんだが、個人的にはストーリー構成が最も酷いと感じた。


まず、主人公はクラスメイトからイジメを受けていて、それでガスマスクの伊藤さんに「イジメてる奴を消して欲しい」と願うのだが、肝心のイジメのシーンが一つもない。
それ処かイジメているとされているクラスメイトは、主人公の事を心の底から心配している描写しかない。
それで主人公は勝手にイジメられていると言っているので、観ているこっちとしては妄想癖の激しいキャラクターなのかとしか思えないのだ。

最終的には何かしらのどんでん返しがあるのかと思いきや、本当に妄想癖の激しいだけで最初からイジメはなかったので、開いた口が塞がらない・・・。


いや、そこは視点を第三者視点にするのではなく、主人公視点にしてクラスメイトからイジメを受けているシーンを入れるべきだろ!!
んで、終盤になって実は主人公の方が狂っていたという展開にすればいいのに・・・。
何でそのまんまなんだよ!!
少しは捻り入れろや!!

それと、ガスマスクの伊藤さんを呼び出した事によって、主人公が狂っていって最後の凶行に走るんなら理解できるんだけどさ。
もうガスマスクの伊藤さんを召喚する前から、妄想癖の激しいメンヘラって感じで描いてるから、何の驚きもないんだよね・・・。
普通は、ガスマスクの伊藤さんを召喚してから徐々に狂っていって、ラストに凶行に走るっていう風にするんじゃないかな??
ポルりん

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