ルサチマ

バイバイ・ラブのルサチマのレビュー・感想・評価

バイバイ・ラブ(1974年製作の映画)
4.6
70年代日本における前衛映画であり、クィア映画の先駆け的な存在だが、筋書きはアメリカンニューシネマ的な犯罪逃避行もので、ともかく撮影技術が見事。インディペンデントでありながら、車を燃やして崖から落として見せたりと、カタルシスのある大掛かりな仕掛けも多数。いとも簡単に警官の銃を手に入れ、躊躇したり隠れるようなそぶりも見せずにバンバン撃ちまくるという行動原理の欠如も映画の活劇性を高めていく。車に乗せたカメラの動きや、走りゆく車を俯瞰のロングで捉えた撮影など見応えはどれもあるが、クィア映画らしい性的なシーンでの描写だけがどうしてもこの映画の中では過剰に浮いている気がしてしまう。
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