死んだ父との記憶の旅。
点描画ってだけで気が遠くなるのに、それをアニメーションにするとは途方もない。
魚眼レンズのごとく、誇大にズームされた視点が右に左にドゥルンドゥルン動く様は、とても幻影的で、遠い記憶の彼方を一緒に覗いているかのような体験だった。
今作を見て、子供の頃の死への理解度と漠然とした恐怖や不安を思い起こした。そういえば自分も、子供の頃に死ぬってなんだろうと不安になって寝れなくなったことがある。
そんな年齢で人の死、ましてや親の死なんて、目の前にあっても受け入れられないだろう。
結局大人になった今でも、身近な人の死は現実感のない体験なわけだが。