タチユロ氏

ナチスに仕掛けたチェスゲームのタチユロ氏のレビュー・感想・評価

2.5
オーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクの原作『チェスの話』を映画化。

物語は2つの時系列が並行に語られる。
まずはアメリカ行きの船に乗る1人の男ヨーゼフ。精神不安定で挙動不審なその男は、チェスの達人だった。そして成り行きで船の上で余興的に腕を披露していたチェスのチャンピオンと勝負することになる。

もう一つは1930年代、ウィーン。ナチスがオーストリアに侵攻してきたことで公証人だったヨーゼフは逮捕され、顧客の口座情報を吐かせるために尋問される。

この2つの話がパラレルに進んでいくわけだが、この見せ方があまり上手くない…。途中まで話の筋は理解してるけれど、どこに向かっていく話なのかがわからなかった。
最後まで見ればこの映画の構造もわかって「そういう話だったのね」とはなるものの、見てる間は中々厳しいものがある。

とはいえ、シュテファン・ツヴァイクという時代に翻弄され、ついには自死を選択したそのその生涯を補助線として見ると面白いとは思う。原作を読んだ人の話ではかなり意図的に結末を変えたりもしているようなので、原作も読んでみてもいいかも
タチユロ氏

タチユロ氏