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一発逆転のディベートレッスンのakrutmのレビュー・感想・評価

3.3
差別的な言動で度々問題になっている法学部の大学教授が、学部長からの指示で懲罰を逃れるために、授業中に差別的発言の被害に遭った女子学生をディベート大会で勝たせるべく個人教授をすることになった顛末を描いた、イヴァン・アタル監督のコメディ・ドラマ映画。

シリアスなドラマではないが、コメディとしてはちょっと微妙という感じの作品。ユダヤの自虐ネタじゃないと、イヴァン・アタル監督は切れ味が悪いのかも。それでも、大学教授を演じているダニエル・オートゥイユの、いかにも教授然とした堅物な雰囲気から繰り出す突拍子もない行動はまずまず。個人的には、地下鉄の車内でのエピソードがお気に入り。ストーリー的には、容易に予想がつく結末だけれど、いわゆるハリウッド的な大団円ではない。心が通ったのかどうか微妙なラストは、いかにもフランス映画っぽい。

女子学生ネイラを演じたカメリア・ジョルダナはフランスのシンガー・ソングライター。俳優としてのキャリアもあるが、セザール賞の有望若手女優賞を受賞した本作が俳優としての出世作。最近は俳優業にも力を入れているらしい。取り立てて素晴らしいというわけではないが、手堅い演技と言えるだろう。
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