「ダーティー・ハリー」(1971)「地獄の黙示録」(1979)の脚本を手掛けたジョン・ミリアスの監督デビュー作。1930年代に実在した米犯罪史上最も有名なギャング、ジョン・デリンジャーの半生を描く。
大恐慌時代の1933年、デリンジャー(ウォーレン・オーツ)は手下三人を率いて銀行強盗を続けていた。彼の事件は連日新聞のトップをかざり、民衆の敵でありながらアンチヒーローのようにもてはやされていた。対して、FBIフーバー長官の忠実な部下パービス(ベン・ジョンソン)は大物ギャング皆殺しへの執念を燃やしていた。。。
ドライでハードなマシンガン銃撃戦が見所。その容赦のなさは同時代のアメリカン・ニュー・シネマを彷彿とさせるが、本質的にはその系譜からは外れているように思う。デリンジャーやギャングたちのキャラクターはあまり掘り下げられず、捜査官パービスが最も存在感を放っていた。
主演ウォーレン・オーツはデリンジャー本人の写真ととてもよく似ていた。恋人を演じたミシェル・フィリップスがママス&パパスのメンバーだったことは初めて知った。
※ジョン・ミリアス監督は熱烈な反共主義者として有名