櫻イミト

デリンジャーの櫻イミトのレビュー・感想・評価

デリンジャー(1973年製作の映画)
3.5
「ダーティー・ハリー」(1971)「地獄の黙示録」(1979)の脚本を手掛けたジョン・ミリアスの監督デビュー作。1930年代に実在した米犯罪史上最も有名なギャング、ジョン・デリンジャーの半生を描く。

大恐慌時代の1933年、デリンジャー(ウォーレン・オーツ)は手下三人を率いて銀行強盗を続けていた。彼の事件は連日新聞のトップをかざり、民衆の敵でありながらアンチヒーローのようにもてはやされていた。対して、FBIフーバー長官の忠実な部下パービス(ベン・ジョンソン)は大物ギャング皆殺しへの執念を燃やしていた。。。

ドライでハードなマシンガン銃撃戦が見所。その容赦のなさは同時代のアメリカン・ニュー・シネマを彷彿とさせるが、本質的にはその系譜からは外れているように思う。デリンジャーやギャングたちのキャラクターはあまり掘り下げられず、捜査官パービスが最も存在感を放っていた。

主演ウォーレン・オーツはデリンジャー本人の写真ととてもよく似ていた。恋人を演じたミシェル・フィリップスがママス&パパスのメンバーだったことは初めて知った。

※ジョン・ミリアス監督は熱烈な反共主義者として有名
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