あめみや

クイーン・オブ・ダイヤモンドのあめみやのレビュー・感想・評価

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ファーストカットから主人公の赤いネイルが印象的。どんなときもばっちりメイクが施されていて部屋着ですらそのスタイルを崩さない。が、化粧をしたり着替えをする様子が映し出されることはない。常に女として抜かりない状態でそこにいる。この作品全編通して主人公の生活を映しているはずなのに、生活感というものが感じられない。自然の中に佇むシーンも多いが、なぜだかとても無機質だ。

反復行動の中に少しずつ変化を見せていく手法かと思ったら逆だった。
特にカジノのシーンはうんざりするほど同じシークエンスを繰り返すことで変わらない日常が際立つ。度々客は変わるが、ディーラーである主人公の仕事は変わらない。彼女にとって客が誰かなんてどうでもよく、同じこと同じ動作を機械のように淡々と繰り返していく。そこに強烈な虚しさを覚える。

どのショットも圧倒されるような画力があり美しく、虚無感で充満していた。
数少ないダイアローグはいささか説明的すぎるような気もしたが。

終わり方がなんとも言えない。
あめみや

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