人は1人では生きていけないけど、表層的には嘘偽りで固められている。夫婦なんてその典型とも言える作品。銭湯を切り盛りする中、夫が失踪し、1人の男性が住み込みで働くように。
言葉の一つひとつが心に響く一方、淡々とした映像に飽きを感じた。
なんでだろうなぁ。
撮影は良かったし、淡々とした会話劇も嫌いじゃないんですけど、全然入り込めませんでした。
今泉力哉監督の作品ってそこまで相性悪くないはずなんですけどね。
単純に自分に合わなかったってだけなんですけど、何が良くなかったのかが言語化がうまくできません。悪くはないんですよねー。
なんなら真木よう子はめちゃくちゃ良かった！撮影の岩永洋さんの照明の使い方とかも良かったのか、映像はとても良かったんです。
ただ淡々とした演出の方でしょうか。テンポが今泉監督の悪いところが出てるような気がして…これまでの作品はコミカルさも描かれていてこそ今泉監督の良さが会話劇で出ていたんですよね。
ただ、本作はどちらかというと終始シリアス路線なので、淡々とした会話が間延びしているようにしか感じられなくて途中から飽きが来ちゃったんですよね。
とはいえ山崎(やまさき！濁らない！)役のリリー・フランキーはさすがでしたね。
堀役の井浦新もかなり物語の大事な部分を担っていましたし、今年は井浦新フル回転ですね。『福田村事件』といい、つぎは元アイドルと暮らしちゃうおっさん役が控えてますからね。
永山瑛太のあの飄々とした感じも良かった。あれは瑛太だからこそ出せる味みたいなものですね。さすがです。瑛太も『怪物』や『福田村事件』、『ミステリと言う勿れ』などフル回転。
総じて役者陣はみんな素晴らしかったです。
原作も読んでみたいですね、これは。
〈キャスト〉
関口かなえ(真木よう子)
堀隆之(井浦新)
山崎道夫(リリー・フランキー)
関口悟(永山瑛太)
菅野よう子(江口のりこ)
木島敏江(中村久美)
田島三郎(康すおん)
藤川美奈(内田理央)
※2023年新作映画140本目
