新宿バルト9午前中。
お客さん、意外にも男性が多かった。
そのせいか、将棋でお爺さんの見落とし指摘されるシーンでクスクス笑いがおきてた。私はわからなかったので悔しい…。
リリーフランキーはこの映画の空気の重さをちょうどよく換気してくれるというか。
そしてタバコ屋の康すおんの全てお見通しの上、あたたかく見守ってる役は、相手のことをわかってそうでわかってない関係ばかりの中、際立ってた。
人間の表面と心の内側、水面から落ちて沈んでいく真木よう子と気泡が綺麗だったなぁ。
今泉力哉監督の絵作りは静かにノスタルジックに美しいな。今作は水もテーマになってて青みが印象的。
人間、本音を打ち明けたってうまく伝わらない。ニュアンスだったり、深刻度だったり、相手との微妙な感覚のずれは生じる。相手の解釈に、なんか違うんだよなぁともやもやしたり。そーゆーのも面倒になってきて、面白話にしてとりあえず事実だけわかってもらえれば、感情の部分はいいやぁってあきらめがち。
悲しかった気持ちとか辛かった想いとかって、ちゃんと自分の中で味わって噛み締めて、大事にしたいけど、人に話すと軽々しくなっちゃう。だから、人生の中で、本音で向き合える人に出会えるのはすごいと思ってる。そんなことを考えながら観ました。
心の奥底に流れていたものを吐露して、そして奥さんと犬と、その後ろを歩く。
舞台が江戸川区という設定。ニヤリ。
薪で沸かしてる銭湯は貴重です。
2023年60本目