カズザク17

アンダーカレントのカズザク17のレビュー・感想・評価

アンダーカレント(2023年製作の映画)
3.7
人間、他人の事を理解しようとしても、全てを理解する事が難しい。それが、親子や夫婦等の一番近しい間柄であったとしても…である。人間、自分の事であったとしても、理解しきれない事が心の奥底に必ず潜んでいるように思う。自分の事でさえ理解しきれないのだから、多かれ少なかれ、人間が人間関係で悩む事は、避けては通れない事…当たり前の事のように思ってしまう。
一見、活発で明るそうに見える人でも、人には見せない影が必ず存在する。一見、心が強そうに見える人でも、人には言えない・見せない悩みや弱さが必ず存在する。だから、本音を話せる人、弱みを素直にさらけ出せる人が、近くに居て欲しいと思う。同時に、本音や弱みを素直にさらけ出す勇気も必要なんだと思う。この映画では、最後に心の一番奥底の部分をさらけ出して…画面が真っ暗に…犬の散歩に少し遅れて…わかり合えたと信じたい。
音楽が無い映画。風の音、波の音、チェーンソーの音、その他生活の音…音楽に邪魔されず、様々な音がそのまま耳に入ってくる。雰囲気に流されないから、物語・台詞がストーレートに突き刺さる。