Kaz66

アンダーカレントのKaz66のレビュー・感想・評価

アンダーカレント(2023年製作の映画)
3.6
豊田徹也さんの同名漫画を、今泉力哉監督と「愛がなんだ」「ちひろさん」で組んだ脚本家:澤井香織のコンビで再び実写化。
冒頭に表示される“undercurrent”=底流・下層流→(表面的ではない)心の奥底に流れる感情
が、テーマとして作品中にずっと揺らいでいる。
そもそも原作漫画自体が、1962年のビル・エヴァンス/ジム・ホールによるアルバムに影響を受けての創作であろうし、本作のヴィジュアルもそのアルバム・ジャケットのオマージュであろうと容易に想像がつく。
このように、作品中いろんなメタファーがゆらゆらと散りばめられているし、その節々に表面的には核心に辿り着いてないけど…“それでも人は生きてゆく”というような奥底に流れるものを感じる(それには細野さんの音楽も上手く作用している)、今泉監督の新たな一面が見えてくるような所謂“雰囲気映画”でした。
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