原作未読
「人をわかるってどういうことですか?」
感想なんかより、この台詞がすべて。
『ちひろさん』の時もそうだったけど、台詞がいちいち刺さる。
深いけど柔らかく刺さる。
そして、すべての登場人物が主役だった気がした。
ワンコももちろん。
相変わらず、絵画のような映像がいくつもあって素晴らしい。
井浦新の佇まい方の引き出しの多さはため息ものだったし、康すおんの貫禄と温かさの絶妙さよ。
『ちひろさん』でマコトだった嶋田鉄太くんが一瞬出て来て嬉しかった、大好き。
細野晴臣氏の、まさに底流のような音楽も。
ブラックアウトの使い方も鳥肌モノ。
観て、余白にとても丁寧に置いてある感情や言葉をそーっとポケットに入れて持って帰りたい。
自分のためだけに。
そんな作品だった。
控えめに言っても、リリー・フランキーは天才。