お、重い…今泉監督のあの軽妙な会話劇を期待すると肩透かし。
でもこの主要キャストの実力者たちで予想できたかも。
原作未読、普段漫画はほとんど読まないのだけど、懐かしの「人間交差点」を思い出した。
亡くなった父親の後を継いで夫婦で町の銭湯を経営していたものの、夫は突然失踪…
なぜ夫は突然消えたのか?そして現れた謎の男。。
周囲にはしっかり者と思われつつ、心に深い過去のトラウマを抱えた主人公を真木よう子が好演。
重たい話の中で、怪しげな探偵役のリリーの役どころがいいアクセントに。カラオケに遊園地に、私は何を聴かされてるのだろう、何をさせられてるのだろうという真木よう子の表情が絶妙。
脇役では煙草屋の親父役の康すおんがいい味。去年の大河ドラマの呆け呆けな役どころのイメージだった。カッコいい。
“謎の男”の井浦新がポツポツと話すこともあり途中までは淡々としてゆったりとしたテンポ。クライマックスでいくつかの謎がわかり始めてからはぐっと引き込まれる。ラストも印象的。
人のこと、自分のことを「わかる」とは?
ストーリーとしては難しい話ではないのだけど、永遠の課題を突きつけられる。