ツクヨミ

アンダーカレントのツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

アンダーカレント(2023年製作の映画)
1.6

このレビューはネタバレを含みます

ある意味逆"パリ、テキサス"かと思ったがいろいろ顕になるエンディングにやられる。
あんまり見る機会がなかった今泉力哉監督の最新作が公開、なんかタイミングがたまたま合ったので見に行ってみた。
まずオープニング、水のイメージが強いショットの連続から構図美が素晴らしい銭湯ビジュアルにうっとりする。まー美ショットはそれぐらいで前半は田舎銭湯を切り盛りしつつ旦那に失踪されてしまった女性の日常が展開されていく、ならば今作は喪失と回復の物語かというとそうでもない。銭湯に雇われた男と一時的未亡人の彼女が織りなすゆったりしたドラマが紡がれていくのが少し心地いい。
だがそんな心地よさがずっと続くわけではなく、主人公女性が被る何気ないストレスがたまにクリーンヒットする様がやけにえぐく描写される様が肝か。ある意味胸糞ともとれるが徐々に精神をきたしていく物語ともとれる人間ドラマになっていく。後半の失踪事件と彼女の過去がリンクし終いにはダウンしてしまう危うさがまたちょっとしたショックを与えてくれるみたいだった。
また今作のプロットがわりかしヴィムヴェンダースの"パリ、テキサス"の逆視点っぽいかなとも感じた、失踪された側の話はなんか若干湿っぽくありちょっと涙を誘う。しかしラストのある意味ちょいエモどんでん返し展開によって全く違うテイストにシフトチェンジするのがびっくり。だがあんまり全体的な感じが弱くてあんまりハマらなかったかなーと感じた作品だった。
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