ろくちゃん

アンダーカレントのろくちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

アンダーカレント(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

今泉力哉監督と言えば、テンポが良くて少しコミカルな会話劇の印象がありますが、本作はこれまでとは一味違う感じでした。

冒頭から重厚な音楽と少し不穏な空気感。
真木よう子演じるかなえは銭湯の湯船の淵に腰掛けているが、そのまま背中から水中に沈み込む。

銭湯を舞台にした作品だが、川や湖など水に関係するシーンが現実と想像や、生と死を想起させる。
普段は裸の付き合いをして忌憚ない会話をして楽しむ銭湯と、言葉にならない澱の様な感情を抱えて生きるかなえや井浦新演じる堀さんが対照的に写されている。

そこに瑛太演じる失踪した夫が現れて、嘘に嘘を重ねた結果本当の自分がわからなくなったという話をする。
まるで子供のようであり、何か寓話的なストーリーだと感じた。

観た後にしばらく本作のことを考えてしまうくらい心に残るが、次はテンポの良いコミカルな今泉作品が観たいなぁとも思った笑