テルヒサ

アンダーカレントのテルヒサのレビュー・感想・評価

アンダーカレント(2023年製作の映画)
4.7
人は誰しも心に暗流がある。
日常やゆっくりしたやりとりを経て、少しずつ自分の暗流と向き合い、二人が救われていくのがよかった。対照的に、失踪した夫の暗流はそのままで、彼もいつかは救われてほしいとも思った。
暗流≒水の中に沈むという、死に近いイメージを、温泉というロケ地で重ねているように感じた。同時に、暗流から浮上することができたと言えるような主人公達が、温泉に入ることと同様に、清められた状態になっているといいな、と思った。
誰でも一度は死にたいと思うことはあるかもしれないけど、その感情から目を背けてはいけないと思った。
今泉監督の画面が好き。編集のテンポは作風に合わせて早めだったけど。ドライブしながら喋るワンカットとか、オープニングとラストカットとか。言葉を発さない間にも気持ちが動いていて、コミュニケーションがあって、ドラマがあるように見える。それを映画館で見れるのが毎回好き。
テルヒサ

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