ゆきゆき

アンダーカレントのゆきゆきのレビュー・感想・評価

アンダーカレント(2023年製作の映画)
3.7
原作が純文学にも通じる世界観の物語を漫画でしか成し得ない表現で作り上げていた作品だったので、実写映画ではどうなるんだろうと思っていたが、見てみたら結構良かった。

特に登場キャラクターのキャスティングは正解。探偵の山崎を演じるリリー・フランキーなど原作のイメージ通り、と思ったら元々のモデルがそうなのだと。真木よう子が銭湯の湯の中に倒れ込んだ後のビジュアルなど、期待を裏切らせない場面がそこかしこにあります。

映画オリジナルのラストシーンは解釈違いなどでなく、しっかりと原作のその後に寄り添ったもの。物語の方向性を指示したあのカットは素直に良いと思います。

ただ原作にはあったギャグ要素が廃されているので、思ったよりかは重たい物語になったなという印象は拭えない。そのせいか、かなえの最後の立ち振る舞いも少々後ろ向きな感触を持った。この辺りは仕方ないかな…。
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