寿司

アンダーカレントの寿司のレビュー・感想・評価

アンダーカレント(2023年製作の映画)
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「人をわかるとは何か」的映画。最近では『怪物』(2023)しかり、『ある男』(2022)しかりなのだが、この映画も凄い映画。
現実と、過去の記憶と、夢の3つの話から登場人物の輪郭が丁寧に描かれながら、終始「人のわからなさ」や「共に生きることのしんどさ」は真っすぐ向き合った映画になってた。
この真摯な向き合い方が今泉映画の魅力であり強さだと思う。『街の上で』(2019)やら『窓辺にて』(2022)あたりはコミカルだけど、同様のテーマが描かれている。それは「やっぱり人と共に生きてくのってしんどいよね」とか、「逃げた方が楽かも」的なものに対するまぎれもない「抵抗」であって、本作でもしっかり描き切っていると思った。

映画的な動きは少ないけど、タイトル通り「底を流れる」が思いがほとばしるかなりアチー映画。構図や構成も面白くて、ドキドキするようなサスペンフルな構成もあるのがすごい。結末が鑑賞者によって分かれそうなのも好み。(黒沢清ばりのホラーな結末と解釈できなくもないが…。)
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