みりお

アンダーカレントのみりおのレビュー・感想・評価

アンダーカレント(2023年製作の映画)
3.4
豊田徹也さん原作の同名漫画を、『愛がなんだ』の今泉力哉監督が映画化した作品。
原作未読、スニークプレビューにて2023/5に鑑賞。(もはや本番公開すら終わってる、ごめんなさい🙇‍♀️笑)

アンダーカレントとは、"表面に見える思想や感情とは異なる、見えない感情"だそうだ。
タイトルの通り登場人物の心情表現は最低限で、心の奥底の声に終始耳を傾けなければ読み取れないような作品だった。
しかしそのぶん静謐で、穏やかで、140分を鑑賞し終える頃には、心に沁み入ってくるものがある。
その沁み入ってきたメッセージは、心を抉り取られそうなほど厳しい現実。
豊田徹也さんの目で世界を見たら、世界はきっと鋭利な刃物で満ち満ちているのかもしれない。

公式HP内の監督インタビューで語られていたけれど、監督が原作の豊田先生とコロナ禍真っ盛りにカフェで打ち合わせをしたところ、自分の分のコーヒー代をラップでくるんで渡されたそう。
小さなことまで気を配り、された事を相手がどう受け取るかの裏の裏まで考えた心配りができる方なんだなぁと感服。
この研ぎ澄まされた感性だからこそ見えてくる世界観が素晴らしかった。
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