クリスチャンの母とユダヤ人の父の間に育つ11歳の少女で、父の転勤に伴って父方の祖母と住むニューヨークからニュージャージーへ引っ越すことになったマーガレット。転校先での新生活に思春期も重なって不安から「神様」に祈るようになった彼女が、宗教を始めとする家族や学校における様々な問題に対峙する様を描いた青春ドラマです。
タイム誌の「世界で最も影響力のある百人」にも選ばれた児童/YA文学の大家ジュディ・ブルームの代表作をデビュー作『スウィート17モンスター』も好調だったケリー・フレモンで映画化した2023年公開作品で、アメリカンな物語故に日本では劇場未公開となりましたが、本国では各地の批評家協会賞にノミネートされるなど絶賛を集めました。
女子の青春を衒いなく描く物語で、ヘイリー・スタインフェルドに続けと溌剌と演技するアビー・ライダー・フォートソンをレイチェル・マクアダムスやキャシー・ベイツが支えます。見事に現代風にリメイクしてはいても題材のニッチさもまた残っていますが、様々な疑問と変化に正面から向き合って上がる成長の階段が微笑ましい一作です。
