ゆきゆき

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版のゆきゆきのレビュー・感想・評価

4.2
強烈なカーアクション映画と思ったらそう言えるのは前半部のみで、後半はロードムービー的な雰囲気。いい意味で意外。

主人公はあくまで猛スピードで車を走らせてるだけで、自分から他車を煽ったり喧嘩を吹っ掛けたりはしない。ただ絡んでくる相手を振り払ってるだけ。クラッシュした煽り運転のドライバーを気遣う様子もあるし、親切にされれば感謝をし、ヒッチハイカーを乗せたりもする。主人公の過去の回想を見る限り、誠実な人間だったのが戦争体験や恋人の死や汚職警官へ反抗の結果の凋落に喪失感を抱えているだけのよう。

主人公はただ何も考えたくなくて爆走したかっただけだと思うので、あの自殺同然のラストは自分的には解釈違い。一方で演出的には永遠のドライブを繰り返しているともいえ、不思議な余韻も残る。

走行シーンの疾走感やロック、カントリーなどの劇中音楽など見所・聴き所も多い作品でした。
ゆきゆき

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