北村有

光る校庭の北村有のネタバレレビュー・内容・結末

光る校庭(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

智哉役の梅垣然太くんも、翼役の笹木祐良くんも良かった〜〜〜!
あどけなさがリアルな小学生らしさに繋がっている気がして、観ていてほっこりした。

好きなシーンは、翼が智哉に、運動会本番で走らせて!って頼んだときに、智哉がちゃんと「また先生に怒られるのが嫌だから嫌」って断ったところ。変に翼の身体を心配したり、綺麗事で交わしたりせず、自分が嫌だから嫌って断ってたのが、彼らの関係性における誠実さの表れのような気がして、すごく好き。
でも結局、翼に走らせてあげるところまで含めて良いシーン。

あと智哉が翼を連れ出して、ストレッチャーで自宅まで走っていくシーンも幻想的でよかったな〜。現実だけど非現実のような、彼らしかいない異世界のような。
翼が亡くなってしまって、智哉は悲しいし寂しいと思うけど、あの夜の体験があったからこそ智哉は「翼は死んじゃったけど、死んでない」と思えたんじゃないかなあ。

あと、なぜかやたらと素麺が美味しそうに見えて、めちゃくちゃお腹がすいた。ご飯を美味しそうに映すのに、何か工夫したのかな。

あとあと、担任の先生がすこぶる嫌なやつ!腹の底からイライラした!映画『告白』(2010)で岡田将生がやってた、空気の読めない教師ウェルテルを思い出した。
あんなふうに自分の信じる正義や善意で動く感じではないけど、根本的に「教師になってはいけない性質の人間が堂々と教師をやってる」ことに対する違和感がすごすぎた……
智哉の家族が良い人じゃなかったら、心を病んで引きこもりになっているか、グレて家出してると思う。

安達祐実さん演じる理恵ママもよかったな〜〜。子どもから「死ぬってなに?」って聞かれたときのあの答え、模範解答だと思う。お星様になるのよ〜とか言われるより、ずっといい。
北村有

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