銃や格闘技に秀でた元警備員のオクジュが命を絶った親友の復讐のために疾走するサスペンス。スタイリッシュな凝ったカメラワークと演出と、要所要所で炸裂するオクジュ演じるチョン・ジョンソのアクションが爽快かつクールで目を惹きつけます。復讐相手となるチョイ演じるキム・ジフンも非道っぷりをこれでもかと見せつけ、ヒールとしてとてもインパクトがありました。
ただ、ストーリーが弱い。
1時間半ちょっととはいえ、あらすじが物語のすべてというのは、ちょっと内容が薄いです。リベンジしていく流れとともに綴られる親友との友愛の場面は微笑ましく切ないのですが、ちょっとふんわり美しい思い出にしすぎな気も……。
多分、そのエピソードを重ねることで主人公の決意のほどを知らせていく目的があったのでしょうが、彼女がそもそもなぜ「元」警備員なのか、これほど凄腕なのに辞めたのは何故なのか、まったく不明で、少しは言及があっては良い気がしました。元上官との会話場面ででも入れてほしかった気が。終盤、ベタでも悪役側との因縁があったほうがクライマックス感が上がったかもしれない、と思いました。
ただチョン・ジョンソとキム・ジフンの体格差をものともしない肉弾戦ファイトは見ごたえあったので、別のストーリーでの再戦を見てみたくなりました。
