本作の出来自体は決して悪くはないものの
前作「search」と比べるとちと弱いという印象。
作品の根底に流れるのはサスペンス+親子愛というので
大きく乖離したものがあるわけではないが
前作がアイディア込みでなにせ斬新だったというのもある。
こればっかりは二作目以降は不利な点。
また、前作が上記二点に加え
SNS自体の承認欲求の暴力性と癒しという
両側面を炙り出した社会テーマ性が強かったのに対し
本作はいかにしてネット上で自分の痕跡を消せるかという
サスペンス要素増し増しという作りに。
これは良いでも悪いでもなく
単純な個人的趣向として前作の方が好み。
三半規管弱々マンに配慮されたPC画面による
ファウンドフッテージ形式の語り口はまだまだ鮮やかだし
そもそも低予算・短尺で作られたサスペンスとしては佳作。