たらこ

サイド バイ サイド 隣にいる人のたらこのレビュー・感想・評価

2.8
記録用

坂口健太郎を眺めるための映画。彼のもつ空気感が好きでゆっくり時間がある時に観るぶんには十分観てられるけど、ほんと雰囲気を楽しむ映画だった。

現実離れしててちょっと痛々しさすら感じちゃう映画だなって思いながら観てたけど、後から考察レビューをいくつか読んで私が感じてたあの現実味のなさは意図されたものだったのかと納得できた。数々の違和感も異世界解釈でどうとでもなる。

未山という男はあの坂口健太郎の雰囲気で許容しちゃうけどやってることはなかなかの畜生。今カノの家で元カノと一緒に暮らすってどういう神経。しかも元カノは妊娠中。
私はあくまで現実世界での出来事として観てたから莉子のお腹の子の父親は普通に草鹿だと思ってたから詩織に子供の父親?って訊かれて未山が否定したとき彼の言葉を全く疑わずに聞いてた。でも実は未山の子って説のほうが全部しっくりくる。全部。草鹿ごめん。憧れてた先輩の彼女を寝取って孕ませた挙句、手に負えなくなって未山に押し付けて逃げるような男だと思ってたけど違ったんだね。誤解してた。逃げたのは未山。莉子と交わした父親のエピソードもなんで今この話をしてんだろって思いながら観てたけどそういうこと。

私は市川さん効果で詩織に感情移入して観てたから何かと胸が痛んだ。莉子を家に招き入れたのは心からの親切なのか未山を手放したくない女心だったのか。(ちなみに莉子が食卓でグラスを倒して牛乳をこぼしたのは絶対わざとだと思う)
寝ている詩織の頬に触れるのを躊躇った末にやめた描写は未山の表情も含めてどういう感情?って思ってたけど触れたいけど触れてはいけないと自戒するくらいには負い目を感じてたってことかな。

こうやって解釈してく楽しさはあるけど映画の終わり方はいまいちだった。半端なとこで放り投げて終わりそうな気配を感じて(お願いこのまま終わらないで…まだ続いて…ちゃんと終わらせて…)って心の中で願ってはみたが無駄だった。
たらこ

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