のんびり休暇を過ごすために郊外へ出かけた一家が直面した、異常事態。それは彼らだけの事情に留まらない陰謀が隠されていた…、といった趣のサスペンスドラマ。
ネット遮断からじわじわと静かに広がっていく異常が、映像や音・カット割りや構図にこだわった凝った画面で目を惹きつけて描かれ、あわせて貸主と借主一家の微妙な関係性でも緊張感の糸が張りつめられての目の離せない2時間半で、ハラハラしっぱなしのまましっかり楽しめました。
肝心のそもそもどういうことだったのか、という芯そのものは明示してはおらず、そこが消化不良といえばそうなのですが、そもそもアメリカという国はどこからも攻撃されてもおかしくない恨み辛みを買っている国なんだということを、今このタイミングできっちり描いていることに妙なリアリティがあり、厭らしい不気味さを高めているように思いました。