2023年489本目
Netflix制作
ドラマ『MR.ROBOT／ミスター・ロボット』のサム・エスメイルが脚本・監督を務め、ジュリア・ロバーツ、マハーシャラ・アリ、イーサン・ホーク、ケビン・ベーコンという豪華なキャストを揃えたスリラー
のんびり休暇を過ごそうと郊外に別荘を借りた一家だったが、不可解なサイバー攻撃によって携帯やパソコンが使えないという不測の事態が発生する。
原作のルマーン・アラムの小説を大変気に入ったオバマ元大統領が、本作の制作に携わっている。
"LEAVE THE WORLD BEHIND"のタイトルバックと共に、Joey Bada$$の"THE REV3NGE"が流れるオープニングがクールで、幾何学的模様が複雑に変化していくアニメーションが、その後の物語の展開を暗示している。
Joey Bada$$は、『MR.ROBOT／ミスター・ロボット』に俳優として出演しているので、その繋がりで楽曲が使用されたのかも。
俯瞰的なショットやぐるぐる回るカメラワークを多用し、全編にわたって不穏な雰囲気を持たせている。
サイバー攻撃によって、航空機や船、車などの乗り物が暴走し、TVやスマホ等の情報源が失われてしまう様子を通して、現代人がいかにテクノロジーに依存しているかを浮き彫りにしている。
人間には察知できない「何か」を察知しているかのような動物が印象的に登場していて、鹿のアップがたくさん映るシーンが面白かった。
危機的な状況だからこそ連帯が求められるのに、人種差別や宗教嫌悪、性の問題、陰謀論等々が障壁となって、互いを信じることができない人間の弱さを痛感する。
配信が機能しなくなって円盤を見るローズを映したラストシーンは、Netflixがそれを表現しているからこそ皮肉が効いていて味わい深い。
