おもしろかった。
明確な恐怖があるわけじゃないけど、見えない強大な力とそれに抗えない絶望感には本能に訴えてくるゾワゾワするような恐怖を感じられた。
先入観で家のオーナーを疑いの目で見てしまう主人公と同じく、ホラー映画という色眼鏡を通して映画を見る視聴者を煽るように、なんてことない日常のいざこざを際立たせて違和感を少しづつ恐怖感に変えていく演出が上手いなって思った。
ただよくあるホラーではない分、好き嫌いが分かれる作品だと思う。制作側としても新しいジャンルを開拓しようとしてるのかなって思った。
キャスティングも良くて、
神経質でトゲのある柔和さとは対極にいる主人公とジュリアロバーツの雰囲気がかなりしっくりきたし、線が細くて困り顔で物憂げな俳優さんと少しトロくて気の弱そうな主人のキャラもピッタリ合ってた。
種を蒔けばそのあとは疑念と嫌悪を動力に人間が勝手に破滅に進んでいくしそこに黒幕なんていない。それが一番怖い。
めっちゃ社会派ホラーだし、行きすぎたデジタル社会とその未来に警笛を鳴らすメッセージが含まれてそう、とか色々考えさせられた。
新しいタイプのホラーだし考えさせられるから個人的には好みだった!