たぬー

終わらない週末のたぬーのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
4.2
非常に現代的でリアルな『世界の終わり』
都市の喧騒から離れ貸別荘で休暇を過ごしていた家族のもとに別荘のオーナー夫妻が都市が大規模な停電に見舞われたという情報とともにやってきて徐々に恐ろしい事態にあることが明らかになる。

秩序が決定的に失われディストピアが訪れる直前の世界。略奪や暴力に走ることはなく、其々努めて冷静に振る舞いつつ、本質が露呈する。男のダメさがつらい。白人と非白人のお互いリベラルなんだけど警戒しあう感じの生々しさ。
「ミスターロボット」のサムエスメイルらしいクラクラするようなカメラワークと編集が冴える。マハーシャラアリは富裕層の黒人キャラが非常に似合う。ケビンベーコンもハマり役。

原作では子供達の主観での描写も多々あり、思春期の子と親の関係性描写が無茶苦茶丁寧でリアルだったけど、そのあたりは映画ではだいぶオミットしてる。オチは原作とほぼ同じだけどDVDライブラリー発見は良いアレンジ。
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