おざわさん

終わらない週末のおざわさんのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
3.7
週末を海沿いの豪邸で過ごそうとレンタルしたサンドフォード家の元に、都市部で大規模な停電が起きているというニュースが届いてネットがダウン。

ただでさえスマホが使えず子供たちはイラつくし、父クレイと母アマンダも情報が取れず不安になる。そんな所にこの別荘の主だという黒人の父娘が現れて、事態が収まるまで一緒に泊めて欲しいと言われ、アマンダの不機嫌極まります。

それからは鹿やフラミンゴが押し寄せるは、飛行機が落ちてタンカーは座礁するは、とにかく何が何だかわからない内に、この国が崩壊しようとしていることに気づいていくというストーリー。

演ずるのはイーサン・ホークにジュリア・ロバーツ、マハーシャラ・アリ、ケヴィン・ベーコンなど実力者揃い。
監督は「ホームカミング」や「ミスター・ロボット」などのドラマシリーズで知られるサム・エスメイルで、同名の小説を映画化したものの様です。

とにかく内容が壮大過ぎて真実が見えず、見ているこちらまでずっとイライラしてしまう様な展開から、まさかここで終わるの?というエンディング。

もしこれが狙ってのものならば、監督や制作にも名を連ねるジュリア・ロバーツの思惑は成功したと言えるでしょうが、付いてこられる観客がどれほど居るのか?笑


【ここからは私的考察】

まず別荘の主ジョーンズ(マハーシャラ)が初めからアマンダ(ジュリア)たちに何かを隠していて、彼の妻もこの奇妙な事態に何らかの形で巻き込まれているっぽいけど、最後まで現れない。

そしてご近所さんというダニー(ケヴィン)の元に薬を分けてくれと頼みにいくけど、こんな事態に備えていない方が悪いという塩対応だけど、どうやらダニーもジョーンズも軍に関わる職業で不穏な空気や、考えうる最悪のシチュエーションもすでに知っていたよう。

更にご近所のソーンズ家には地下防空壕が有るらしいとダニーは教えますが、確かに家を抜け出したクレイの娘がその別荘に忍び込むと、地下には数ヶ月は暮らせるであろう蓄えと彼女が最も欲しがっていたものがあった。笑


そして鹿やフラミンゴが何かを伝えるように現れては消える様子に、何か尋常ではない事態が起きていることは感じているのに、ネット環境が壊された人々は普段の生活を変えようとしない姿も愚かに映ります。

きっとこの映画、ドラマでキッチリ描いたらもっとメッセージの伝わるストーリーになったんじゃないのかなあ?と思いつつ、結局ヒトなんて愚かな存在でしかないという意味では充分に伝わってるのか…