ルックはA24的だと思った。
シンメトリカルな画角といい
ステディカム的な移動撮影
垂直に見下ろす形でのシーンなど撮影であったり、
巨大な何かが登場人物たちを万力のように
恐怖でギリギリと締め上げるという物語であったり、
ある種滑稽にも見える人間同士のいざこざ等々
いかにもA24がやってもおかしくない雰囲気。
ただ本作は良くも悪くも、A24よりはポップで
比較的万人受けする形になっていると感じる。
(それでも取っ付きにくさはあるが)
割と明確に登場人物を恐怖させた"巨大な力"の
正体を描写されるし
極端な概念的・抽象的ショットも無いので
大まかには物語を飲み込みやすい。
問題は説明された結末に納得はできるものの
広げた風呂敷は綺麗に畳めたとは言えないこと。
個人的には広げる風呂敷を小さくして
もう少し映画の尺を短くしても良かったのでは?
と、思ってしまう。
結局のところ"コミュニケーション不足"が大ネックなのかな。
主人公家庭は表面上円満だけども
どうにもコミュニケーションはおざなり感あるし、
当然突然現れる謎の親娘に対しても疑心暗鬼。
ましてや他の国の言語なんて分りゃしないから
コミュニケーション図るどころじゃ無い。
現代人最大のコミュニケーションツールである
インターネットまで剥奪されては
待ってるのは地獄そのものという週末なんかね。
あの人はコミュニケーションがうまく行った例を見て
満足するのか絶望するのかどっちなんだろうね。