こつぶライダー

終わらない週末のこつぶライダーのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
3.8
ディザスタームービーという前知識のみで観てみた。
その言葉通り不穏な空気感の中で進む訳だが、内容の進行状況やオチからしても、所謂パニックモノとは一線を引いた形。
大量の鹿が来たり、全自動運転の車が突っ込んで来て道を塞いだりと、静かなる恐怖というのがひしひし伝わってくる描写が良かったですね。

会話が多いのに、そこまで深堀りする内容のドラマには至らず。そこが少し物足りなさを感じた部分でした。

ラストに関しては、含みを持たせる形になりましたが、これはこれで良かったのかもしれない。
ドラマ『フレンズ』の最終回を知りたくて仕方がない少女が家から抜け出して、DVDを見つけて再生したところって、サブスク主流となりつつある昨今の業界・社会に対する皮肉でしたね。

白人家庭と黒人家庭が絡み合い、互いに疑心暗鬼で進むのが、中盤まではミスリードとして効いていました。
ジョージが語る「内戦」についても、結局のところ相手を信じて手を取り合うことの重要性を示唆していましたよね。
これから起きるであろういがみ合いの世界で、彼らはどう生きるのか、、、このドラマではそこの希望を感じさせる結末になっており、嫌いじゃないなあ。

アメリカって軍事力もある巨大な国でありながらも、こう簡単にも無効化されてしまうと、内部で亀裂が生じてしまうのだろうなーという恐怖感が凄かったです。

直接的な敵の存在が明らかにされず、かつそんな戦(いくさ)の中心の物語でもないのだが、それこそ一市民でしかない我々にはリアルに感じてドスンときました。
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