『The quiet is so noisy.』
ー静寂は騒がしい。
これは、映画に出てくるワンフレーズだが、まさにこの映画を象徴したセリフである。
外からの情報が遮断された時、人は内からの情報で忙しくなる。
私の見方がおかしいのか、相手の見方がおかしいのか、頼るべき情報源を失った時、人は混乱する。
映画内では、テレビやスマホが繋がらないだけでなく、不可思議で恐ろしい出来事が起こっていくので、さらに人は路頭に迷ってしまう。
いかに現代人がテレビやスマホによる情報に頼って生きているのかを実感しました。
そして、自分の内から出てくる情報と向き合って生きていく必要性を感じました。
現代、自分と向き合わうのが嫌で、情報を入れまくる情報供給過多な人が増えているような気がする。(自分を含めて)
情報は栄養素であり、偏ったものを取りすぎると偏見がうまれることがある。また、どんなに栄養素の含んだ情報だったとしても、過剰摂取により悪影響を心身にきたすこともある。
栄養バランスのとれた情報を摂取しながら、自分の思考と向き合う時間を確保しながら、生きていきたいなと思った。
特に最近、ショート動画を見る時間が増えてるし、「ルセラフィム」という謎に中毒性の高いダンスを踊るグループにハマってしまっているため、自分を律したいと思った次第である。
あと今作を見てて思ったのは、「災害時の行動」についてだ。
僕が高校生の頃、3.11があり、その年に生存者の方が高校に講演に来てくれた。
僕は今でもその方の話をよく覚えてる。
その方が言っていたのは、「マニュアルに従った人は死んだ。とにかく逃げたものが生き残った」というものだった。
あの時、高校生ながらに先生たちが少しざわつくのが分かった。たぶん、高校という場所は校則によって成り立っているし、先生という仕事は社会で生きていくためのマニュアルを教え込む側面があるから、居心地が悪かったのかもしれない。
確かに、割と攻めた発言ではある。
世間的には、一般的には、ひんしゅくを飼うような言葉なのかもしれない。
でも、僕は生きていくために、とっても大切なことだと思うのだ。
人間は動物の中でも最も知能が高い生物であり、想像力を働かせたり理性的に物事を捉えることができる。
それこそ、マニュアルを作り出し、災害時の備えをすることができる。
でも、この世界では、人間の考える想定外のことが起こることがあるのだ。
そうすると、マニュアルは意味がなくすのだ。
マニュアルは人間の想定したものがベースになっており、想定外の事には対応していない。
しかし、それなのに、思考停止してマニュアルに縋り付くもの、マニュアルを持ち出して自己正当化するもの、マニュアルがあることで正常な判断ができないものが生まれる。
そう、マニュアルとは、凝り固まった古き悪しき情報の集合体と化し、時に人間の正常な認識や行動を阻害するものになるのだ。
だから、最初の話とも重なるが、自分の内から出てくる感覚的な言葉や行動を優先することも時には正しく大切だということだ。
この映画のラストは、そんなことを伝えたたかったのではなかろうか。かなり突飛な終わり方で少しびっくりしたが、めちゃくちゃ良かったです。
最後に、セリフ回しが綺麗な映画だったので、気に入ったセリフをいくつか記録的に残したい。
「I fucking hate people.」
人が大嫌い。
「Some of my smartest clients have lost a lot of money because they based their choies on preconceived beliefs instead of truth. Seeing the difference is one of the hardest things a person can do. 」
頭のいい顧客でも多額の金を失う。真実ではなく先入観に基づいて選択するからだ。先入観と認識するのは難しい。
「It was riqht thing to do.」
正しいことだから。
「And that right there. Thats whats going to fuck us in the end. 」
それよ、最後に私たちを滅ぼすのは。
「Why are you like this? What do you get out of being so angry all the time? 」
なぜそうなの?いつも怒ってて何か得するの?