バカンスを過ごす家族、ビーチに乗り上げるタンカー、大停電が起きているというニュースを告げる見知らぬ親子が現れ、次々に不可解なことが起こっていく。
何が起きているのか、なぜなのかわからないままに過ぎていく。これは恐怖。わからないというのは本当に恐怖なのだ。
疑っていた2つの家族が次第に理解しあっていく過程、自分の家を守ろうとする人が心を解く場面、極限に至ろうとしている中でも人間というものを感じた。
全自動で動いていく恐怖、全てが止まってしまう恐怖。アナログでは暮らしていけない現代の生活が崩れ去る世界を映し出している。
いつか人間が作ったものに操られてしまうのかもしれない。
世界で本当に起こるかもしれない静かな戦争に警鐘を鳴らされた。
鹿を追い払った母、従ってついていきシェルターに着いた娘。
鹿は神の使い、神を信じたものは救われる、最後はアナログが残っている、というのも印象的。
静かな怖さを伝えながら、なかなか楽しめる作品だった。