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終わらない週末のmasatのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
3.3
北朝鮮か、中国か、はたまたイランか?
どこかの国が仕掛けてきた・・・攻撃だ。

「この国は世界中に敵がいる。たばになつてかかつてきたんじゃないか?」
そんなケヴィン・ベーコンの台詞がゾッとする。

空の上からの“侵略”でも、スーパーナチュラルでもなかった。
アメリカが世界から孤立した、いや、孤立させられた。
その時、何が起きるのか?
隣人同士が啀み合い、攻撃し始める。
アメリカ国内で内戦が勃発する。
そうなれば話は簡単、やがて、誰の手も借りずに“自滅”するのだ。

そんなアレックス・ガーランドも真っ青な、なかなかのプロットを持っていた。

楽しい週末の家族旅行のはずが、(鹿のいる森だけど)渚にて、
終末を体感する。
今そこにある危機の、静かなる接近の恐怖を、ちょっと凡長だけども、時に“ブラックミラー”の様な趣向を凝らし、狐に摘まれた様に見せられた。


家の持ち主がいきなり来訪するあたりは、ジョーダン・ピールも真っ青。
ブラックミラーも真っ青な自動運転車の氾濫がコワイ。

対岸のキノコ雲を、世代の違う女性二人に気づかせるクライマックスも良い。
それ以上に、エピローグとして、
妹が最後に手に入れるささやかな幸せが微笑ましい。こう言うエンディングを創造出来るアメリカは逞しく粋で、羨ましい。
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