ユウ

スペースマンのユウのレビュー・感想・評価

スペースマン(2024年製作の映画)
4.0
孤独な蜘蛛型の宇宙生物が、孤独な宇宙飛行士ヤコブと共に、宇宙の起源の探求を行う。
その中で宇宙生物は、人間とは何か、宇宙とは何か、恐怖とは何か、大切とは何かを問い、時に諭していく。

ヤコブは突如星空を覆った紫色の雲状の天体の調査を任務にしており、件の宇宙生物はその中から来たと言う。

二人の語らいは、ヤコブの心情風景を宇宙生物が可視化して覗くという形で進んでいく。
ヤコブは地球に置いてきた妻との関係に無意識的に不安を感じており、宇宙生物は彼を助けたいと話す。

彼らは進んでいくオペレーションの中で絆を育み、ヤコブは宇宙生物にハヌーシュという名をつける。
ハヌーシュはヘーゼルナッツスプレッドを好食し、曰く故郷の味がすると宣う。
ハヌーシュは儀式としきたりを重んじる側面を持ち、人類への理解に意欲的だが、罪の意識を持つことには無意味と一蹴する。曰く、宇宙は既に完璧だからと。

このユーモラスな題材から、コメディ映画とカテゴライズされているが、全体としては哲学的なテーマを扱った映画である。
ユウ

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