夜行列車に乗ったカリート

スペースマンの夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

スペースマン(2024年製作の映画)
2.5
アダム・サンドラー主演。宇宙で仕事しながら奥さんと仲直りする話(蜘蛛も手伝う)

宇宙に現れた紫雲を調査するため、主人公(アダム・サンドラー)は1人で調査を開始する。そこへ突然謎の生物が現れ、君の手助けをしようと提案される…。

SF作品ですが、主題は赦しの物語です。主人公ヤクブは偉業達成のため家庭をないがしろにし、妻との間に亀裂が入っています。それを見た目ほぼ蜘蛛のハヌーシュが気づかせてくれるという、そんな映画。

ヤクブがろくでなしかと言うと、それは見方によるでしょう。偉業を成そうと努力し続ける人間は、時として他者を顧みない傾向があります。おそらくはこのケース。
自己実現こそが全てで、およそ他者と生きることに向かない人間もいるんですが、本作では「愛する者との共存がすべて」…というように表現されています。
ヤクブもそのことを悟ってその道を選ぶのですが、人間は結局愛を求めるものだ…というような内容に収束します。または、自身が作り上げた呪縛からの解放とも言えるでしょう。

ハヌーシュが一連の流れを、過去の出来事を回想しながら導くんですが、途中でヤクブを自己中と判断すると、一旦は見捨てるふりをします。思いやりのないクズ野郎は救えない、ということでしょうかね。

ならばピカソやジョブスの前にハヌーシュが現れたら、「君への興味は失せた」とか言ってどっか行くんでしょうか。それも見てみたい気もするが。
宇宙はあるがままでいいけど、君は愛を持たなければならん…という映画でした。

作品自体は上手くまとまってると思います。