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ナイアド ~その決意は海を越える~のクリームのレビュー・感想・評価

4.2
64歳でキューバ~フロリダの遠泳を達成したナイアドの実話を元にした物語ですが、アネット·ベニングに鳥肌が立った。彼女自身もナイアドに触発され、恥じぬ様、見事に演じきったのだろう。狂人が狂人を演じる。そして、2人の女性の魂が心を揺さぶる。全ての人に感動と勇気をくれる素晴らしい映画でした。

ダイアナ·ナイアドはマラソンスイマーで数々の新記録を作り、28歳の時にフロリダ海峡横断に挑戦し失敗しています。 60歳になり30年間辞めていた水泳を再び始め、フロリダ海峡縦断に挑戦する事を決意します。親友のボニーにコーチを頼み、スポンサー探しや遠征の準備を整えて行くのですが…。



ネタバレ↓



60歳の挑戦に資金調達も大変でしたが、女性スポンサーを探し資金調達に成功。ケージを使わずにサメ対策専門のルークを雇い、音でサメを遠ざけるシールド装置を使う事となった。
ルートから外れない為にフロリダ海峡の潮とルート計算ができる熟練航海士のバートレットにも参加をお願いし、1度目の挑戦は、途中で飲んだ鎮痛剤にアレルギー反応を起こし、棄権。7週間後に再挑戦するも今度は、猛毒のハコクラゲに2度刺され、断念。ダイアナはハコクラゲの専門家を見つけ特注のスーツとマスクを作製し、3度目の挑戦。62歳で4度目の挑戦は、バートレットが天候に難色を示す中ダイアナは決行する。しかし、嵐により皆の危険を考慮して断念。
ボニーは、ダイアナの周りの犠牲を考えない性格についていけないと去って行きます。バートレットも生活があると言って断り、ダイアナは他のチームメンバーを探す。ダイアナはボニーに自分の行動を謝り、関係の修復は出来ました。
2013年、キューバにいるダイアナの元へボニーが現れ、5度目の挑戦には自分も付き合うと言う。バートレットは病気を患っていて、最後の冒険だとチームに加わります。ダイアナは泳ぎ続けますが、流石に疲労が見え朦朧とし始めると、ボニーが海に入り励まします。キーウェストの明かりを見てダイアナは最後の力を振り絞り泳ぎます。
多くの人々が出迎える中、岸までヨロヨロ歩くダイアナを、足首が海から出た瞬間ボニーが抱きとめた。
ダイアナは64歳で177キロを52時間54分で泳ぎ切り、フロリダ海峡縦断を成功させた。

ダイアナの諦めない精神、それを支えるボニー、2人の絆には胸を打たれましたが、彼女達の姿勢が他の人達にも伝わり成し遂げられた偉業。64歳で休まず177キロ泳ぎ続けるなんて…。人間の力って凄い。勿論、限られた人にしか出来ない事だけど、素直に感動しました。
そして、主演2人の凄い事。
2人共、女優オーラを消し全力でダイアナとボニーに憑依していた。あんなにシワシワな姿は女優なら見せたくないハズ。鍛えていても抗えない緩んだ脇や背中の肉を修正していないなんて、凄すぎる。恐らくジョディは、ずっと鍛え続けて来たのと多少の若さからか、そんなに弛んで無いが、それでもお顔はシワが凄い。リアリティを追求した残酷な描写だけど、これが潔くて格好良い!
また、実際のアネットやボニーの映像が使われているのですが、かなり寄せています。そして、ダイアナご本人がとてもチャーミングで力強い方でした。
内容も結末が解っていてもハラハラさせられ、ダイナミックな海の臨場感も伝わる色んな要素が見応えたっぷりでした。
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